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ブランスリー電脳ちょっとだけ版
小麦粉にとことんこだわってパンを作る - ムッシュイワン/ポラリス小倉孝樹社長に聞く [2012年6月号 インタビュー]

 東京・立川の「ムッシュイワン」は、舌の肥えたパンのヘビーユーザーにも多くの支持者を持つ本格派ベーカリー。一方、都内に6店舗ある「ポラリス」は、幅広い客層をターゲットにしたベーカリーだ。この2つのブランドの総指揮をとるのが、両ベーカリーの運営会社、ウィルベンの小倉孝樹社長だ。同社長は、ホテルベーカリーで育ち、その最も輝いていた時代のパン作りのエッセンスを、今に伝えようと、日々パン作りに励むオーナーブーランジェだ。同社長のパンの原材料を見る目は限りなく厳しい。現在は、これまで培ってきたパン作りのエッセンスを、ビジネスというフィルターを通して、どう輝かせるかがテーマになっている。

強力粉ベースのパンに使う小麦粉にこだわる
―――パンの原材料、特に小麦粉についてはかなりこだわっていると聞きました。
小倉 私は、昔のホテルベーカリーで育ってきた人間で、この業界に入って37年になります。日本のホテルベーカリーの父と言われる福田元吉さん(故人)から、直接いろいろなことを教わりました。福田さんの教えのひとつに、「1粉、2種、3技術」(「パン作りでは、粉が一番大事で、次に大事なのがパン種、その次に大事なのが技術」という意味)というのがありました。
 自分の求める香りや味わいを実現するには、いろんな粉の性格を考慮して、使い分ける必要があるんです。1種類の粉だとどうしても単調になってしまうんですね。これは、フランスパンに限ったことではなく、食パンやロール系のパンでも同じです。
 うちは、イギリスパンについては、大手製粉会社2社の強力粉2種類と、中小製粉会社の準強力粉1種類をブレンドして使っています。その配合でないとだめなんですね。少しでも変わると、味がぜんぜん違ってきます。準強力粉の方は、品質はそれほど安定していないのですが、大手の製粉会社の粉にはない粗削りな感じがあって、とにかく旨いんですね。これを配合したパンは、焼き上げたときに独特の奥にひっかかるような味わいが出てきます。粉がわかってくると、粉から離れられなくなるんです。
 フランスパンを作るときのフランスパン専用粉やフランスの粉については、「この粉がいい」「あの粉は味わいがある」などと、こだわる人が多いと思いますが、こと強力粉に関しては、あまりみんなこだわりがなく、製パン性のいい粉一本でパンを作っているケースも多いのではないでしょうか。でも私たちが作っているパンは、6〜7割はロールパンとか食パンとか、強力粉ベースのパンです。ですから、強力粉についても、フランスパン用の粉と同じように、こだわりを持たなくてはならないと思うんです。
―――油脂や卵、牛乳などを多く配合するパンについてはどうですか?
小倉 イギリスパンのようなシンプルなものに比べたら、当然粉自体に由来する香りや味わいはわかりずらくなります。ですから、そうした高配合のパンについては、副材料の味や香りを生かしていけばいいので、1種類の粉で仕込んでもいいのかも知れませんが、うちの場合は、シンプルなパンでどうやって香りや味わいを出すかを基準に粉を選んでいるので、それらの配合を、そのまま高配合のパンにも流用しているんです。
 しかし、高配合のパンでも粉から来る香りや味わいの違いは、私自身は当然わかるし、舌の肥えている人だった...(月刊ブランスリー2012年6月号へ続く)

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