ブランスリー報道社からのご報告
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Toshi Au Coeur du Pain(fc2blog)

パン職人 トシ(facebook)

トシオークーデュパン(twitter)

関係する資料

ブランスリー11月号のT店についての記事

原稿チェックの賛否(当社の見解とは直接関係ありません)

“確認”をめぐる賛否両論

僕が取材先に原稿を確認してもらう理由

企業広報(PR)の仕事

なぜ記事を事前に取材相手に見せないか

原稿チェックを希望する会社は危ない

トシ オー クー デュ パン様のブログに掲載された当社に関する文章について

 去る10月21日、株式会社ブランスリー報道社(以下当社といいます)が取材させて頂きました「トシ オー クー デュ パン」様(以下T店といいます)のブログに、当社を批判する内容を含む文章が掲載されました。
 当社といたしましては、その内容を真摯に受け止め、反省・謝罪すべきところは反省・謝罪させて頂き、説明すべきところは説明させて頂き、反論すべきところは反論させて頂きたいと思います。T店が同文章の発表を、ブログでの公開という公の形で行われましたので、当社といたしましても、当社の公式ホームページでの公開という形をとらせて頂きたいと思います。

 最初に、今回の出来事の経緯の概略について述べさせて頂きます。当社が出しております月刊ブランスリーの11月号におきまして、「ベーカリーの朝活 朝の焼きたてでパン食普及」のテーマで当社の記者がT店を取材させて頂きました。取材自体はそつなく終わり、記事を執筆し、11月号に掲載させて頂きました。
 そうしましたところ、10月21日午後、まず取材させて頂いた当社の記者に、T店オーナーのA様から、記事の内容の確認をとらずに、11月号に掲載したのはどういうことか、との趣旨の電話がありました。そして、当社の記者から、当社社長の私に連絡があり、私はA様に連絡して、事情を説明させて頂きました。結局、A様の理解は得られませんでしたが、T店が掲載されたページのコピーをA様にFAXさせて頂きました。
 同日、午後10時45分頃、T店のブログに、この間の経緯を説明し当社を批判する内容の文章が掲載されました。

 以下、T店のブログに掲載された文章に対して申し述べさせて頂きたいことを、順番に同文章の各段落と照らし合わせながら、掲載させて頂きます。(青字はT店のブログに掲載された文章です)

月刊ブランスリー2013年11月号に紹介されている内容について 2013/10/21 22:45

おかげ様で色んな雑誌にてご紹介いただいています。
ところが先日取材を受けた雑誌・・・
月刊ブランスリーという業界紙なのですが、http://www.blsnet.co.jp/boulansserie/
取材の後連絡が無いので気になって調べてみたところ、もう既に本になっているではありませんか!

 この段落については、当社から申し述べさせて頂きたいことは特にありません。

雑誌の取材を受けた場合、通例として取材の後日に原稿を頂き、
内容に間違いが無いか確認の上で発行されるという流れになっています。

 当社は、出版社、新聞社等の取材執筆活動において、公開前に取材先に記事を見せるかどうかは、その編集権を有する出版社、新聞社等が自己の価値感に基づき、独自に決めるべきものだと思っております。上記記述からは、A様がこれまで取材を受けた記者の大多数は、公開前にA様に記事を見せていたことが推測されます。しかし、すべの出版社、新聞社等が事前に原稿を取材先に見せるとは限らず、実際には、広告記事等を除いては、取材先に事前に記事を見せる場合もあれば、見せない場合もあり、出版社、新聞社等によってその対応は様々です。ジャーナリズムの色が濃くなるほど、見せない傾向が強くなると当社は認識しています。

ところがこの会社、何のインフォメーションもなくいきなり発行されているので
慌てて取材に来たライターに確認したところ、「確認しない事になっている」との事!

 A様は、当社が事前に原稿を見せなかったこと自体が、当社の非であるとの主張をされております。しかしながら、当社はそうは考えておりません。その根拠は、前述の通りです。   
 「確認しない事になっている」は、正確には「確認しなくてもいい事になっている」です。当社は、取材執筆活動をするに当たって抑えておかなければならない法令、および法令における関連条項の概略を記者に示し、「記事は公開前に取材先には見せないことを原則とし、例外として、やむを得ない事情がある場合は、見せてもいいが、この場合も、記事の本質をゆがめる様な訂正の要求があった場合は拒否しなければならない」と指導しています。

きちんと理由の”説明”を求めたところ、自分は単なるライターに過ぎないので判らない、
会社から折り返させるという事で、後ほどそこの社長からいきなり”クレーム”を受けたのでと連絡が来ました。

 この段落については、当社から申し述べさせて頂きたいことは特にありません。

説明の要求がクレーム扱いされた事にも驚いたのですが、もっと驚いたのが内容確認をしない理由「憲法上、表現の自由が認められているから確認する理由が無い」のだというのです。

 当社はA様の要求が、クレームだと思いました。それが当たらないのであれば、深くお詫び申し上げます。
 「憲法上、表現の自由が認められているから確認する理由が無い」につきましては、正確には、当社は、「憲法上、表現の自由が認められているから、確認することを強制される理由が無い」と申しました。
 日本の社会において、個人、法人とも基本的に自由な言動が認められています。同時にそのすべての責任をとることが義務化されています。言動の中に、社会正義に反するものが含まれていれば、社会的制裁を受けますし、法令に違反するものが含まれていれば罰せられます。当社が「憲法上、表現の自由が認められているから、確認することを強制される理由が無い」と申しましたことは、正しいと考えます。

あきれて「もし記事に間違いがあったらどうするのか?」と聞くと、「間違い無い様に指導している!」と耳を疑う返事。

 当社は、すべての記者に、間違いがないように万全を期すようにと指導しています。具体的には、各記者に取材執筆活動において、守らなければならない項目を書き出したリーフレットを配り、その遵守を徹底させています。守らなければならない項目は、▽文章については、現在の日本の日刊紙(朝日、読売、日経等)が採用している新聞形式の報道文で書かれていて、論理的な矛盾がないこと▽写真については、デジカメで撮影したもので、自然な色が出ていること▽書かれている内容(写真の内容も含む)について、真実と信じるに足る客観的な裏づけを執筆者が確保していること、などです。

「間違いが無い訳ないでしょう?それで損害が起きればどうするのか?」と聞くと
「内容については100%当社が責任を持つ、ただし起こった損害について
賠償請求の裁判を起こしても貴方に勝ち目は無い」
ちょっとこの会社、変です。

 この記述については、重大な誤りがありますので、反論と抗議をさせて頂きます。
 「ただし起こった損害について賠償請求の裁判を起こしても貴方に勝ち目は無い」の記述は、事実無根で、当社はまったくこのようなことは申しておりませんし、このようなことは信条としておりません。A様が、「取材の間1時間製造を止めなければならなかったこと」を損害の具体例として挙げられましたので、取材させて頂いたこと自体は了解を得たことですから、当社は「それは、社会常識上損害とはいえません」と指摘させて頂きました。しかし、そのことがご理解いただけないようでしたので、「その賠償請求の裁判を起こしても、A様に理はありません」と説明させて頂きました。「ただし起こった損害について賠償請求の裁判を起こしても貴方に勝ち目は無い」の記述は、「当社が取材執筆活動を行い、記事を公開して、その内容によって、かつ当社の非によって、A様に深刻な損害を与えてしまい、A様から訴えられたとしても、A様には勝ち目はない」と言っているかのようにとられかねません。A様がこのような事実無根の内容を公にされたことは、当社の名誉を著しく毀損する、違法の可能性が極めて高い行為であります。ブログに公開するということは、公にするという意味では、当社が、新聞や雑誌に記事を公開するのと同等です。当社は上記事実無根の文章の公開について、厳重に抗議し、その速やかな訂正を強く要求します。

雑誌に載ると、そこに紹介された商品についてお客様から問い合わせがあるので
紹介される側としては予めどんな内容か把握していなければなりません。
もちろん超マイナーな業界紙ですから、ほとんど反響は無いとは思いますが
何が起こるか判らないので、把握しておくのは当然の事だと思います。

 前述のように、当社は「記事は公開前に取材先には見せないことを原則とし、例外として、やむを得ない事情がある場合は、見せてもいいが、この場合も、記事の本質をゆがめる様な訂正の要求があった場合は拒否しなければならない」と指導しています。ですから、上述のような事情があり、事前に原稿を見たいと強く思っておられることを、あらかじめ記者が知っていれば、事前にお見せすることも可能だったかと思います。当社の主張は、今回のケースでは、原稿を事前にお見せしなかったこと自体を、当社の非として認めることはどうしてもできないということです。

取材を受けて答えている訳ですから、読んだ人にとって記事の内容は
全て私が話した事であり、当然その言葉への責任は100%私にかかるのです。
「出版社が勝手に書いた事です」などと無責任が通るはずもありません。

 記事の中には、取材対象の方の発言として鍵括弧で括って記述してある部分と、そうでない部分があります。そうでない部分は、当社は「地の文」と呼んでおり、取材対象の方が話した内容や、その内容に関連する事柄について記者が独自に取材したことなどに基づき、記者の独自の判断のもとに書かれています。地の文の部分の全責任は、当社にあります。また、取材対象の方の発言の部分も、文責は当社にあり、取材対象の方の実際の発言の内容についての責任は、取材対象の方にあります。

ひと悶着の上、FAXで原稿を取り寄せたのですが案の定、
商品名と私のキャリアに間違いがありました。
他の記事と比べられたら、私がキャリアの詐称をしていると思われてしまいます。

 「商品名と私のキャリアに間違いがありました。」の記述を読ませて頂き、10月25日、FAXにて、間違いの内容をお伝えいただくよう、お願いいたしました。同時に、その内容を確認し、間違いであれば、次号に訂正記事を掲載させていただく旨、お伝えいたしました。また、当社で商品名の記述の部分を確認いたしましたところ、「バゲット」であるべきところが「バケット」となっている箇所がありました。
 A様からの返事が10月27日夕方時点でございませんでしたので、上記誤りを確認したことをFAXでお伝えし、深くお詫び申し上げ、次号に訂正記事を掲載させて頂くことをお伝えいたしました。また、商品名で別の誤りがあるかどうかと、キャリアの間違いの内容をお伝え頂きたい旨も同時にFAXさせて頂きました。
 さらに、10月28日午後2時頃、お電話にて、再度、間違いの内容を教えて頂くように、お願いし、お詫び申し上げたのですが、A様は、かなりご立腹されたようで、電話をお切りになられたため、間違いの内容は教えていただくことはできませんでした。
 「バゲット」であるべきところが「バケット」となっていましたことは、当社のミスであり、非であり、A様、及び読者の皆様に、深くお詫び申し上げます。また、訂正記事を次号に掲載させて頂きます。今後、このような校正ミスがないように、校正の体制の更なる強化を図っていく所存です。
 また、今回のことを教訓として、今後は、「事前に記事を取材先に見せるかどうかは、その記事の編集権を持つ出版社、新聞社等が自己の価値感に基づき、独自に決めるべきものだ」という認識が共有できない可能性があると記者が判断した場合は、取材先が原稿を事前に見ることを要求しているかどうかを必ず確認した上で、お見せするかどうかを判断することを、ルール化したいと思います。

という事で、月刊ブランスリー2013年11月号に紹介されている内容について、
当店は一切承認しておりませんので、よろしくお願い致します。

 当社が取材執筆する記事の編集権が当社にあることをご理解頂ければ、この段落については、当社から申し述べさせて頂きたいことは特にありません。

あっ、ちなみに言論の自由を傘に、この事をネットで公開する事は先方の了解済みです。
あくまで「反論はしますよ」とケンカ腰でしたが。

 「この事をネットで公開しますよ」と言われましたので、「いいですよ」とお答えいたしました。ただ、A様がネットで表現するいかなる事柄についても、当社にその了解を得る必要はまったくないと思います。
 当社は、A様に、当社の取材執筆についての考え方をご理解頂くために、誠意を持って、順序だてて分かりやすく、説明させていただいたつもりです。「ケンカ腰」での対応はしていないと思います。

 T店のブログに掲載された当社に関わる文章について、当社から申し述べさせて頂きたいことは以上です。

 当社は、月刊ブランスリー11月号のT店についての記事で、校正ミスをしてしまいました。その内容はすでに述べた通りです。ミスをしたことについての、A様、読者の皆様、及びその他関係者の皆様からの、いかなるお叱り、ご批判もお受けしなければなりません。深く反省し、お詫び申し上げ、今後そのようなミスが起こらないよう、さらなる体制強化を図り、努力していく所存です。

 最後に、月刊ブランスリー11月号のT店についての記事を掲載させて頂きます。「バゲット」が「バケット」となっている箇所は修正してあります。また、専門家の助言により、T店の名称は実名とし、T店のオーナー名は仮名とさせて頂きました。

2013年10月31日


毎日買えるバゲットを提供。パリのパン食文化を日本にも - トシ オー クー デュ パン

後列右から「バゲット」(168円)、「バゲット」のハーフサイズ「ドゥミ(1/2)バゲット」(105円)、バゲット・トラディション(199円)
オレンジのひさしが印象的な外観
入り口に近い方からヴィエノワズリーが並び、奥に向かって様々なハード系が展開していく
 この5月に東急東横線・都立大学駅近くにオープンした「トシ オー ク― デュ パン」は、都内では珍しい朝6時開店のベーカリーだ。開業間もなく、朝から行列ができ、多いときは朝9時までに100本近いバゲットが売れたこともあるという。
 朝6時の開店にした理由について、「パリで約2~3年修業していた頃、朝靄がかかるひんやりした夜明けの時間帯に、パン屋さんだけがあたたかそうな煙と香 りを出している街の姿を見ていました。それがすごく印象に残っていたんです」とシェフのAさんは語った。パリで朝食に焼きたてパンを買ってきて食べ ることはごく普通のことだ。主婦がお気に入りの店に、寝起きのラフな格好で訪ねて行き、バゲットを買うのはごく当たり前の姿だという。そんなパン文化を日 本にも育てることが同店のミッションであり、朝6時の開店もそのためのものだ。
 バゲットは現在2種類。「バゲット・トラディション」(199円)と、「バゲット」(168円)。
 「バゲット・トラディション」はAさんのパリ修業時代に、師匠であるフランスMOFのアニス・ブアブサ氏から直接教わったもの。長時間低温発酵で、もっ ちりとした食感と甘みが特徴だ。「バゲット」は、粉の香りと軽い食感が特徴の一般的なフランスのバゲット。こちらは、Aさんがパリ修業時代に、食事代節 約のために一日をこれ一本で過ごしたという思い出のパンでもある。
 バゲット2種類で1日平日約150本、休日は200本程度売れているという。早朝営業のバゲット販売が、売上に占める割合は高い。
 開業前は早朝の集客に、確固とした勝算があった訳ではなく、「まずは1人~2人でも来てくれれば」との考えだったそうだ。行列ができるようになるまでの経 過を聞くと、「開業前に近所に多少のポスティングでの告知を行い、開業後1週間は9時開店で営業しました。その間に、来店者に6時開店のことを伝え、ア ピールしました」とAさん。それがクチコミで広まり、すぐに繁盛するようになったという。
 主な早朝の来客は、ペットの散歩中の夫婦や、ジョギング中の人。早朝はシニア層が多く、若い人はお子さんを送り出した後と思われる午前8時頃来店しているという。早朝に販売するものは、バゲットが中心。
 Aさんが同店のバゲットに対して気を配ったのは「毎日買えるパンであること」。そのため、価格を抑えた。日本にも本格的なバゲットはあるが、Aさん は、300円~400円という価格帯に毎日買ってもらう難しさを感じていた。早朝のバゲット販売には強い思い入れがあったため、本当は、バゲットを常食と しているフランスと同じように、1ユーロ(約130円)で売りたかった。しかしそれは難しいので、できる限りの価格をと考えて今の値付けになったという。 その代わりに、バゲット以外は、本格フランスの味を提供する同店の技術に合わせ、品質に合った値付けをしているという。
 「こういう値付けの感覚 も、一般のベーカリーと逆かもしれません。私は『ベーカリー』と『ブーランジェリー』、『パン』と『ブレッド』はちょっと違うと考えています。パンは切り 方ひとつとっても本場のものがまだ伝わっていません。本場の雰囲気や、本場の良い点をもっと日本で味わってもらいたいんです」
 Aさんのバゲッ トに対する思い入れは、1番は焼き上がりを食べているときにわかる香り。2番目に焼き加減。同店のバゲットは表面の薄皮がパリッと軽く、中身はふんわり柔 らかい。焼き色も淡い。形も独自のものだ。「これが私の修業したパリのパンですし、他と違ったらそれを個性と思って売っていけたらと思っています」とA さんは言う。
 同店では製造はAさん1人で、バゲットの焼成も少量ずつになる。「品切れを出さないように回転させるのが大変です」という。中に は、電車で隣の駅から来て1度に5本買って行く客もいるが、そういう場合は事前の予約を勧めている。まとめ買いをしていく客には、冷凍での保存方法を伝え るようにしている。休日に朝から数本のバゲットをまとめ買いする客も珍しくなく、休日をゆったりとパン食で過ごしている可能性もあると見られる。「この地 域が、食文化に意識が高いのも大きいと思います」とAさん。
 今後の展開予定は惣菜の提供。「日本では珍しいパンを置いていますから、次はその 味わい方をもっと提案していきたいと思います。朝の需要が見込めるなら、徐々に惣菜の提供も始めて、色んな可能性を試してみたいですね」とAさん。珍し いフランスパンが多いだけに、対面販売の形式も奏功している。食べ方を尋ねて来る客も多い。最初はAさんが説明し、販売担当者にそれを覚えてもらい、次 第に販売担当者も1人で説明できるようになっていったそうだ。
 バゲットのサンドイッチも、同店のスペシャリテというにふさわしい工夫が凝らされ ている。1番は、ハムとバターを挟んだ「ジャンボンブール」(483円)。フランスで食べて大好きになり、日本ではハムとバターの組合せがまだないと知 り、ぜひ伝えたいと考えた。当初はフランスのバターに匹敵する味が見つからずに悩んだが、探し続けた末、国産のカルピス発酵バターを発見。フランスのもの に勝るとも劣らない味で、これなら本場の味を再現できると、自信を持って開発した。スライスチーズのように厚みのあるバターをたっぷりと使い、フレッシュ なハムの味と調和させている。
 今後も、日本にパリのパン食文化を伝えていきたいと、Aさんは考えている。

 


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